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2007年01月18日

揺らぐこころ

北浜の漁船
一月とは思えないいい天気。昼食に、北浜にあるいつもの海鮮食堂へ行く。 漁船に海面の光がきらきら反射して揺らいでいます。
昨日ほとんど外出していなかったので、外の心地いい空気に触れ、気分も晴れる。
スーツ姿の一人のサラリーマン、親子、女性同士が語らい、長靴をはいたおじさん達はビールを飲んでいる。
umieもかなわない程、カフェ気分だ。「ああいいなぁ」と思う。と同時に、僕たちデザイナーの生活ってどうなのだろう、などと考えてしまう。
デザインの仕事は楽しいし面白いから続けているが、経営的に、意に反した仕事もこなさねばならない現実と、好きな仕事で、好きなデザインをし、喜んでもらいたいという理想との間で揺れている自分がいます。
食事から戻って、なにげに四国新聞を開いてはっとさせられました。香川出身のミュージシャン曽我部恵一さんが「TOKYO−さぬき人」に掲載されていて、 その中の一文に、「不況で大手も余裕がなくなり、ぼくらのような大ヒットを狙わないアーティストはやりづらくなった。売り上げ第一主義より、自分の思うようにやりたくて。最初は大変だったが、現在は順調。来年には自前のスタジオを建設する計画です」と書かれていた。 揺らぐ僕の心に、刺さる言葉でした。
二年前、曽我部さんはumieでのライブをはじめて開いてくれたミュージシャン。あのライブから、僕は彼の曲が好きになり、まっすぐな彼の生き方に共感させられた。今日こうしてたまたま新聞を見て、曽我部さんの記事に出会ったのは、不思議な気持ちです。こんな事で心が揺らいでどうする、みたいな気持ちにさせられた。揺れながら、漂いながらも、まだまだ、とぐっと堪える強い心でいたいと思う。
曽我部さん

2007年01月08日

20歳

北浜の昼
成人の日、新成人は約139万人、日本の人口の割合で、100人に1人しか20歳はいないそうです。北浜umieにも、振袖姿がちらほら見えます。
格差社会、勝ち組、負け組などという、大人の勝手な言葉に振り回されている今の若者は、かわいそうだと思う。
20歳といえば、たっぷりの時間と、無駄な事、たとえば絵を書いたり、旅をしたり、スポーツをしたり、マージャンをしたり、深酒をしたり、失恋したり・・・と、失敗やはずかしさといった事を体で覚えていき、大人の世界はこんなもんだ、みたいな事を、斜めに見ている頃だと思うのです。 そんな事をだらだらしているうちに、ちょっと好きなものに出会ったりするものだと思っている。
振り返れば、僕の世代は、三無主義(無関心、無感動、無責任)の代名詞と言われてきた。それでもある時、ある年代になれば、働くようになり、デザインがうまくなりたいと、独立なんかもしてしまう。
その時、その時の立ち位置になれば、バカ力も出るもの。へこんでは、立ち上がり、またへこむ。そんな繰り返しが、チャンスを生んでくれるもの。
オヤジっぽい言い方になってしまうのも嫌だが、自分を信じ、人を信じ続けることの努力が、大切だと思います。
僕の事務所には、今、8人の人間が集まり、あるデザインに対して、細かい作業を繰り返しています。
意味のないコト・モノを意味あるものにするか、しないかは、自分の心の中にあると思っています。
いつも思うのは、何かするその先に必ず何かがあるから、やり続けられているように感じます。

今日の北浜は晴れ。青空が時間とともに、藍色に染まっていきます。
北浜の夕景

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