元気な時代
この時期になると一気に春を飛び越えて夏を迎えた感じます。 北浜の町も連休が終わり、いつものゆったりとした姿に戻り、 僕はというと昨日、今日と朝方まで仕事、相変わらずの日々を過ごしています。 朝、コピーライターの人見君とumieで打ち合わせがてら久々に会った。独立、事務所を構えて3年目を迎えたという人見君、31歳、最近子供が生まれパパになったばかりの青年です。広告業界に揉まれながら、悩み、格闘している様子は彼のブログで伝わってくる。地方で文筆業だけで生計を立てるのは容易ではない、当然デザイナー、カメラマンとて同じである。ましてや自分の好きな仕事を選ぶなんてことは出来ない状況です。各業界の様変わりと同様、広告の世界も変わってしまっています。一部の人だけが恵まれる構図は日本全体の縮図のようです。ならばどうするかである、技術で突出するか、それともサービス?価格?スピード?品質?人柄? 与えられた問題の解決の方法はそれぞれだと思う、解決の方法によってお客さんは変わってくる。自分たちがお客さんに何を提供できるのか宣言することではなかろうか。 |
僕自身もバブル崩壊後このことに直面し、この10年もがいてきた。自信も失いかけた、世の中の価値観の変化、デジタルによる技術、価格、スピード、人、組織、仕組み、流通、表現の変化、気がつけば何もかもが限りなく変化し続けた時代なんだとだと思う。 平面的な発想から立体的と言うか、時間的と言うか無限の階層とでもいいましょうか、スクランブル的な発想が必要なんだと感じています。 |
デザインのことで言うとデザインは何も広告業界だけでなくてもいくらでも表現の場はあるはず、なかったら作ればいいだけだと思うのです。僕の場合でいうとumieがそれになります。自分を表現する場をつくったわけです。カフェそのものをやりたかった分けではなく、デザイナーである僕を知ってもらい、理解してもらう場所、それがumieの始まりでした。僕が日々何を考え、何をしようとしているのか、umieを通して発信していくことこそがDNA、そして僕そのものです。 これも自分で悩み、自分の意思で選んだ道。だから毎日、必死でもがいてる。正しいとか、間違ってるとかじゃなく自分の選んだ道を歩き続けたくてもがいている訳です。 |
この土曜日にD&DEPERTMENTのナガオカケンメイさんが高松に来てくれます。ずっと気になっていた存在の方、デザインをしないデザイン、新しいデザインの方向を世に問い、自ら実践、形にし、広めていっている彼の行き方に共感していましたので楽しみです。 |
だらだらと書いてしまいましたが今日、人見君と会ってからもやもや感がとれずにいたので、今の気持ちを書きたくなってしまいました。力が残っているのに発揮できず、使いきれずにいて、かといって発散する場もないような、このじれったさをどうしたらいいのか。 僕は彼に上手く伝えられなかった気がしてた、今日の昼、以前一緒に仕事をしてた広告代理店の営業マンKさんとばったり、10年ぶりにあった彼はいう、あの時代は元気だったよ、とにかくデザイナーが次々生み出す意外な新しいデザインが面白かった、と言う。 今のMACから生まれるデザインは想像を超えてくれないと言う。 |
彼の言うあの時代とは、まさしく僕たちが今の人見君と同じ時代であったと思う。 |