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2007年05月11日

歳月

umieサイン
umieのこのサインを取り付けて約6年、この錆び方に歳月の流れを感じると共によく続いたものだと我ながら思います。
最初の年はエアコンもなく、冬はストーブだらけの店内、お客さんは店に入ってコートを着たり、天窓からは雪が舞ってきたりした。
夏は夏で暑い店内、扇風機で過ごした。2年目にエアコンが入ったのだが停電になってしまいうちわを配ったりした。今では笑い話のようだが、当時のumieは毎日がこんな感じでした。それでも暑くてもお客様は帰らず店にいてくれた。灯油臭くてもいやな顔をせずいてくれた。3年前には大型台風に見舞われ、umieの北側、海に面した窓ガラスが飛ぶのではないかと思う程の強風を体験、停電、停泊していた宇高国道フェリーが難破し、umieに迫ってきたのには驚いた、まるで映画のワンシーンを見てるようでした。高潮で海水が溢れだしすっぽり海に浸かってしまったumie、まさしくumieでした。

メニューはドリンク5品とケーキの3種類だけだった。来るお客さんも一日10人、15人の日が続いていた。毎日きてくれる人もいて、僕は嬉しかった。初めて自分たちで働いてお金を得たという実感が嬉しかった。コーヒー一杯だして500円を頂く、その繰り返しのなかで、自立とはこういうことなんだと知ったと思う。
デザインで何十万、何百万円の仕事もたくさんしてきたが、500円を稼ぐことの大変さとその喜びの大きさにデザインとは別の価値を体感しました。

今このことを知っているスタッフは店長の他誰もいない。umieって何だろう、と自分でも分からなくなる時がある、僕たちのデザインの表現の場、確かにそうなんだけれど、商売の場にはしたらいけないと思っていた。3年、4年、5年と歳月を重る度、その思いは強い。

2007年05月10日

fuwariな感じ

fuwari
fuwari
女性専用のシェービング&エステfuwariさんのリーフレット、 ショップカード、チケットなどが仕上がりました。 紙はフェルトン、ホワイトを使用。やさしくふわりとした手触り感が、シェービングの気持ちよさを伝えてくれます。 今日は香川ではまだめずらしい女性専門のシェービング&エステを始めたFさん宅へ納品してきました。、僕のいる北浜からは車で50分位かかる香川県の東、愛媛県との県境に近い大野原という町まで行って来ました。
fuwari
ご主人は理容室を経営、今回のシェービング&エステは奥さんとお母さんで自宅の一部を改装してするとのこと。Fさんとは理容室のショップカード、名刺を作ってからのお付き合いさせて頂いています。

最初の打ち合わせから4ヶ月ほど、誰に何をどのように伝えるか何回となく話をした。最近はFさんのように個人の方の起業が多く、僕のところにも相談にくる方が増えています。

私の好きな空間、私の好きなインテリア、私の好きな音楽、私の好きなもの、など私の好きなものに囲まれて好きな仕事をしたい。
私らしさを実現したいという、これも今の時代の変化の表れです。

右に習え的な均一化された時代から個の時代へ。組織への依存から個の自立への動きが目立ちます。


fuwari
今日、納品を終え、Fさんご夫婦の笑顔に触れて、なんというか僕たちも嬉しくなる仕事になりました。会社ではなく、組織でもないFさん個人の幸せに立ち会えているんだということが喜びに繋がっている。デザインのプロがプロらしくなんていらないと思えた。 僕も個人なのだと、ちょっとモノを伝える方法を知っているただの人間なんだ、皆と同じ空気を感じ同じ目線で暮らすことの大切さを知りました。

2007年05月09日

リピート

小豆島の花
小豆島の風景
今日は朝一件の打ち合わせの後、小豆島へ。森國酒造さんのカフェ、ギャラリーの工事確認とメニュー、器などの提案です。それにしても今日の小豆島は暑い、気温をみると27度を指している。
森國酒造リノベーション中
トイレ工事がほぼ終わり、仕上げの塗装をドラゴンファクトリーの三好さん自らしています。7月15日オープンを目指して一気にリノベーションが進みます。
今年のゴールデンウィーク、小豆島への観光客は少なかったようです。香川県全体ではちょっと前年より多かったそうですが、年々減少傾向にある小豆島観光、一度は行ってみたい島ではあるらしいがもう一度というとなかなかうまくいかないようです。
直島とよく比較されますが、島全体のコンセプトが分かりづらいのではないでしょうか。お客様を迎え入れる受け皿も少ないし、人も育てていない気がします。施設も旧来の観光地頼み、誰に来て欲しいのか、もう一度訪れてもらうためのツールを作らないといけない。
新しい観光資源を作る、森國さんの思いは熱い。島の地酒を復活させ、新しい蔵も作った、そしてこの夏いよいよ地酒を通した情報発信基地の誕生です。人が集い、語り、島の記憶、思い出を持って帰ってもらう場所へ。僕はちょうど一年前この場所に初めて立った時のことを忘れない。山々に囲まれたちょっと隠れたところ、大きな梅の木、草に覆われた古い佃煮工場だった民家、見渡せば青い空、迫り来る真っ白な大きな雲、懐かしい夏の匂いがした。
去年の森國酒造の梅の木の前で
誰の心の奥に持っているあの懐かしい記憶、思い出がここには確かにありました。形じゃなく目に見えない記憶、思い出といったものを作ろうと思います。
日暮れのumie
日が暮れ北浜に帰る、僕たちのいるumieが見える、ここもまた同じ、来るところではなく帰る場所なんだと思う。何十年という時間を越えて僕たちの帰る場所になったのだと思う。いつでも帰ることのできる場所でいたいと思います。
ピエブックス「サービス業の案内グラフィックス」表紙
ピエブックス「うっちゃんのひだまり不動産」「GARDENS」
ピエブックス「DUCE」
事務所に戻るとピエブックスさんからサービス業の案内グラフィックスの本が届いていました。DNAがお手伝いしているひだまり不動産のパンフレット、ガーデンズさんのパンフレット、そしてDUCEのデザインが2ページに渡って掲載されています。
みんな新しい試みに僕らと一緒にチャレンジしてくれた方々です。
いい悪いかではなく、リスクを共に背負い新しいことにチャレンジしたものだけの結果として現れたものだと思います。僕たちDNAみんなもさらに勇気が沸いてくる一日でした。

2007年05月08日

元気な時代

この時期になると一気に春を飛び越えて夏を迎えた感じます。
北浜の町も連休が終わり、いつものゆったりとした姿に戻り、
僕はというと昨日、今日と朝方まで仕事、相変わらずの日々を過ごしています。

朝、コピーライターの人見君とumieで打ち合わせがてら久々に会った。独立、事務所を構えて3年目を迎えたという人見君、31歳、最近子供が生まれパパになったばかりの青年です。広告業界に揉まれながら、悩み、格闘している様子は彼のブログで伝わってくる。地方で文筆業だけで生計を立てるのは容易ではない、当然デザイナー、カメラマンとて同じである。ましてや自分の好きな仕事を選ぶなんてことは出来ない状況です。各業界の様変わりと同様、広告の世界も変わってしまっています。一部の人だけが恵まれる構図は日本全体の縮図のようです。ならばどうするかである、技術で突出するか、それともサービス?価格?スピード?品質?人柄?
与えられた問題の解決の方法はそれぞれだと思う、解決の方法によってお客さんは変わってくる。自分たちがお客さんに何を提供できるのか宣言することではなかろうか。
僕自身もバブル崩壊後このことに直面し、この10年もがいてきた。自信も失いかけた、世の中の価値観の変化、デジタルによる技術、価格、スピード、人、組織、仕組み、流通、表現の変化、気がつけば何もかもが限りなく変化し続けた時代なんだとだと思う。
平面的な発想から立体的と言うか、時間的と言うか無限の階層とでもいいましょうか、スクランブル的な発想が必要なんだと感じています。
デザインのことで言うとデザインは何も広告業界だけでなくてもいくらでも表現の場はあるはず、なかったら作ればいいだけだと思うのです。僕の場合でいうとumieがそれになります。自分を表現する場をつくったわけです。カフェそのものをやりたかった分けではなく、デザイナーである僕を知ってもらい、理解してもらう場所、それがumieの始まりでした。僕が日々何を考え、何をしようとしているのか、umieを通して発信していくことこそがDNA、そして僕そのものです。
これも自分で悩み、自分の意思で選んだ道。だから毎日、必死でもがいてる。正しいとか、間違ってるとかじゃなく自分の選んだ道を歩き続けたくてもがいている訳です。
この土曜日にD&DEPERTMENTナガオカケンメイさんが高松に来てくれます。ずっと気になっていた存在の方、デザインをしないデザイン、新しいデザインの方向を世に問い、自ら実践、形にし、広めていっている彼の行き方に共感していましたので楽しみです。
だらだらと書いてしまいましたが今日、人見君と会ってからもやもや感がとれずにいたので、今の気持ちを書きたくなってしまいました。力が残っているのに発揮できず、使いきれずにいて、かといって発散する場もないような、このじれったさをどうしたらいいのか。
僕は彼に上手く伝えられなかった気がしてた、今日の昼、以前一緒に仕事をしてた広告代理店の営業マンKさんとばったり、10年ぶりにあった彼はいう、あの時代は元気だったよ、とにかくデザイナーが次々生み出す意外な新しいデザインが面白かった、と言う。
今のMACから生まれるデザインは想像を超えてくれないと言う。
彼の言うあの時代とは、まさしく僕たちが今の人見君と同じ時代であったと思う。

2007年05月07日

NEWSな話題

屋島
umieで今開催中の大人が読みたくなる絵本skyfish graphix展のTV取材があり、今日の中継場所である屋島の山上まで行ってきました。
山陽放送TVの報道番組イブニングDonDon
で生放送だったので、放送は今日の午後4時30分頃に流れました。umieの店長 松下、DNAのプランナー川井がTV出演。かなり緊張してたみたいですが、スタッフの方々がリラックスさせてくれ、上手く絵本の説明ができました。

屋島
屋島
屋島
屋島山上からは遠くに備讃瀬戸の島々が一望でき、僕たちのいる北浜も見えます。ここは展望台もあり、夕日百選にも選ばれている絶好のビュースポットになっています。
無事撮影も終わり、閉館したホテルの寂れた姿に混じって頑張っている茶店とお土産屋さんの旅館桃太郎で名物いいだこ、甘酒、あべかわ餅、うどんを食べました。
ここの息子さんは京料理の名店たん熊で10年修行を積んでるそうです。郷土料理源平焼きが頂けます。だんなさん、おかみさんに気さくなもてなしをして頂いた。ご馳走様でした。

イルカくん
すぐ近くの先ごろリニューアルオープンした新屋島水族館は香川の企業日プラさんが作った世界初のアクリル回遊水槽を使用。
世界最大の淡水魚ピラクルやイルカショーなどで人気復活です。

屋島
屋島
折角なので四国八十八ヵ所霊場、第84番札所屋島寺を回って見ました。
お遍路も大勢来られ、残された建造物たちの歴史を彷彿させる重みに圧倒させられました。

屋島
今日は昼、ある会社のTVCMのプレビュー、好評でした。音楽、ナレーション、編集とDNAで制作。またひとつ新しい事にチャレンジでき、楽しい仕事になりました。15秒の世界に限りない可能性を感じました。
陽が落ちかけた屋島からの眺望は絶景です。今日のTV取材に集まっていた制作マンの方たちの細やかな仕事ぶりに感心しましたが、そこにはたくさんの人の手間と情熱がありました。
TV取材のおかげで、束の間の休息を味わえました。ありがとうございました。

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