僕は家具をつくることを“仕事”にしている。
僕は家具をつくることを“仕事”にしている。 でも、“つくれない”モノがある。それは年月を経てキズが入り、色があせ、時には反りが出たような家具。キレイに、丁寧に仕上げることをやはり一番に考えてしまうSemi-Acoのものづくりとは、ある種対極にある存在。 でもumieで僕が魅了された家具たちは前者、経年変化によって風格を増した“味のある”家具たちだった。 |
僕の目指す“ものづくり”の要素の一つに“時間差を埋める”というのがある。目指すは年月を経た風格にも調和することのできる新品の家具づくり。 明日の最終日を残すのみとなった「小さな家具・身近な道具」展で感じることのできた手応えの一つに、“時間差を埋める”という課題に自分なりの答えらしきものを見つけることができたことが挙げられる。Semi-Acoのシンプルなものづくりは古いものや、ある種ジャンクなものとでも違和感なく馴染むことができる、と感じることができた。「小さな家具~」展に足を運んで下さった方々にはきっと感じて頂けたのではないか、と思う。umieというハコ(失礼!)と用意して頂いた古い什器、そしてSemi-Aco製品との調和が、空間に広がりと深さを持たせたというか。 |
Semi-Acoにとって初めての個展がumieで実現できたことを本当に幸せに思う。“ものづくり”という点に於いても大きな影響を受けた場所なのだから、当然なのかも知れないけれど、Semi-Acoという家族の思い、スタンスが、とても素直に表現できたと手前味噌ながら思っている。 高松に向う前日まで、“作業場夜の部”でガリガリものづくりに励んでいて身体はヘトヘトに疲れているはずなのに、umieという空間とSemi-Acoの製品に囲まれた途端に笑顔が溢れる。まだ小さい息子や、前乗りしてくれていた嫁さんは、きっと僕より疲れているに違いないけれど、やはりとっても楽しそうにみえた。 |
文末になって申し訳無いのですが、足を運んで下さった本当にたくさんの方々、本当に、本当にありがとうございました。製品を通じて、たくさんの写真を通じて、そして幾つかの会話を通じてSemi-Acoを身近な存在に感じて頂けたなら幸いです。また次にお会いできるのを楽しみに、日々ものづくりに励みたいと思っています。 |
楽しい時間は過ぎるのが早い。残り一日、たくさんの方々にSemi-Acoを感じて頂けるようガンバリます。“ユル~く”ですが。 加賀雅之 |