新潮文庫版のコナン・ドイル作品全13巻が、私の装幀で揃いました。 (このシリーズはシャーロック・ホームズシリーズ全10巻と、ホームズ以外のコナン・ドイル作品をまとめた「ドイル傑作集」全3巻という構成になっております。)
この仕事を頂いたのは、私がフリーになって間もない1997年。最初にデザインしたのは「シャーロック・ホームズの冒険」でした。
色数は抑えめにして、そのかわりに絵柄をプックリと空押しという技術をつかって膨らませたデザインと、一人だけ虫眼鏡で背中を焦がされちゃうホームズがいるイラストは、シンプルながらも、ちょっと冒険したデザインでした。
「ふざけてると思われちゃうかな?」と思いながらラフを見せた覚えがあります。
そんな私の不安をよそに、提案は無事に通り「シャーロック・ホームズの冒険」は1998年書店に並びました。
その後、残り9册のホームズシリーズのリニューアルも担当させて頂き、10冊並べてみると、なかなか見応えのあるものになりました。
しばらく後にドイルの傑作集3作も、いよいよリニューアルと言うことになり、ホームズと付かず離れずの距離感に苦心しつつも、なんとか完成。これで、新潮文庫版のコナン・ドイル作品は全て私のデザインで揃った事になります。この時、初めにデザインした「シャーロック・ホームズの冒険」から約10年が経過しており、ほぼ私のフリーランス暦そのままのお付き合いなことに気づき、改めて感慨深い思いがしました。
こんなチャンスはまたとないと思い、全巻揃った記念に、この4月お茶の水の「美篶堂」で「シャーロック・ホームズの図案展」を開催しました。想像を遥かに超えたたくさんの方に見て頂き、多くの出会いと発見もあり、素敵な時間を過ごす事ができました。
それと同時に、この展覧会は普通のデザインの展覧会とは違うことに気づきました。それは「シャーロッキアン」と呼ばれる方々の存在です。そう、シャーロック・ホームズソサエティーの方をはじめ、多くのホームズファンの方が足を運んでくださったのです。
でも、残念ながら遠くて行けない。。。
北海道でも…大阪でも…というありがたい声も頂きました。
そんな中、ご自分は来れないのに展覧会の情報を流してくださったり、尽力くださった方も地方にいらっしゃったり、もっとゆっくり多くの方に見て頂きたい…という思いや、以前から感度のいい人がいるのは東京だけじゃないのでは?…と思っていた事も重なり、兼ねてから考えていた国内巡回展を実現したいという思いに拍車がかかりました。
そんなワケで、ホームズの旅が始まります。デザインに興味のある方、ホームズファンの方に、ゆっくり見て頂けたらと思っています。
ほんの少しですが、展示と共に、オリジナルグッズの販売もいたします。ぜひチェックしてみてください。
今回の巡回展の会場は、ほとんどがCafeになっております。おいしい飲みのもやスウィーツ、お食事と一緒に、じっくりホームズ、ドイルの世界を楽しんでください。(会場を提供してくださる皆さん、お世話になります。よろしくお願いします。)
そして、展覧会やりたいけど、どうしたらいいの?…と右往左往する私に、親身になってアドバイスしてくれたスソアキコさん。
ホームズのシゴトというチャンスをくれて、その後も随所でさりげなくホローしてくれた新潮社の大滝裕子さん、本当にありがとう!
またドタバタと暴走しそうですが、フォローよろしくです。
「シャーロック・ホームズの図案展」国内巡回展
■北海道(札 幌)2008.9.25〜10.5(10/1休み)
Brown Books Cafe
■長 野(高 遠)2008.10.7〜11.3(日程は暫定)
本の家
■九 州(福 岡)2008.10.10〜31
CAFFE OTTO Piu
■四 国(高 松)2008.11.13〜25
umie
■石 川(金 沢)2008.12.27〜2009.1.12(12/30.31.1/1.6休み)
collabon
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