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昼過ぎにumieで働いてくれてたTちゃんが事務所に来てくれました。小さな赤ちゃんを抱いたTちゃんは、まだあどけなさが残る22歳のママです。
デザインが好きな彼女は、僕のやってる仕事がどんなことか聞きたいという。どうやら将来デザインで生活をしたいらしい。
そう言えば僕の仕事はなんだろう。肩書きはアートディレクターだが、これは自分で勝手に付けたものだ。職業欄には大抵デザインと書いている。
そもそもアートディレクターを説明するのも難しい。新聞広告とかパンフレットとかホームページを作る人?確かに結果として制作物は作るけれど、あくまでも最終的に何かの表現に置き換えているだけなのだ。
あるデザイナーさんはデザインをして、写真も撮って、カフェもして、好きなことばかりやっているように見られているらしい。
確かに好きだからやってる。365日仕事、生活も遊びもすべてがデザインにつながってる。たまには胃に穴が開きそうにもなるし、自由なようで不自由な自分の時間はないに等しい生活。
それでも続けてる理由はデザインで喜んで貰えたり、感動してもらえたりする、ただ一瞬のためだけにやっているのかもしれません。
きっとなににも変えがたい仕事への喜びを知ってしまったのです。
これも5年、10年、15年と続けてきたからこそ分かったことです。デザインの文字が一人歩きしだした今の時代。MACが使えるだけでデザイナーの肩書きが手に入ってしまう。感性を磨くことの訓練が、置き去りにされてしまっているように思います。
赤ちゃんも育つには図りきれない時間と労力、愛情が必要です。好きなことを自分の仕事にすることも、それに似てるのではないかなと思います。
Tちゃんにはどう説明していいのか戸惑ってしまいましたが、自分の仕事をあらためて考えさせられました。
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