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2006年10月06日

プロの道具

D.N.AのMAC
アナログなイラストたち
MACが僕の目の前に置かれて約10年。当時のデザイナーの間では、MACに積極的に取り組んだ人と、そうでない人と分かれていたように思います。
僕は後者で、アナログ派。ブログのタイトルのごとく、MACが僕の目の前に置かれたといっても、僕はデジタルがきらいなので、使わない。
それで10年経った今、どうかというと、D.N.A事務所にはMAC3台、WINDOWS3台、スタッフは皆、当たり前のように使いこなしている。
そんな中、僕は10年前と同じ変わらない。仕事の進め方や考え方は、むしろ今の方がもっと昔に戻っているかも知れない。出来上がったデザインも昔と同じ、変わらない。
MACはプロのデザイナーの道具になり、そして今やプロ、アマ誰でも使える、一般的な道具になってしまいました。 他の職人さんの世界では、まだまだプロだけの道具があり続けているのに、プロのデザイナーの道具は一般的になってしまったわけです。
プロには具合いの悪いことで、普通、便利なデジタルな道具は、手間を省いたりとか、便利な機能がついていて、生活を豊かにしてくれていると思う。デザイナーにとって、デジタルな道具はどうか、時間短縮を得たかというと、手間は倍ぐらいかかっている。処理能力は低下しているように思う。
夢のようなデザインができるようになったかというと、まったくない。むしろ、デザインしたようなモノが世の中にあふれ出すぎて、混乱しています。
結論として、デジタルはデザイナーを追い詰めているようです。ギャラの低下、1人当たりの生産効率の悪さ、デジタル道具にかかる費用の負担、などなど・・・デザイン環境が悪くなっているのではないかなと思う。何よりも、楽しい仕事のはずが、時間に追われる、きつい仕事になってしまったことがあります。
長々と書いてしまったが、このことは、予想出来たことで、ここ何年も僕はこのことにぶちあたっているし、デザインを楽しい仕事にすることに、チャレンジして来ました。僕のテーマでもある、感じるデザイン、人の五感を刺激するデザインを創り出すこと、人の心を動かすデザインとは何かを求めてやっています。このためにはMACやデジタルな道具を上手に活かしていくことが大事だと思います。
プロとは、いかに道具を活かすかの知恵の差かも知れない。

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