心は曇り
美味しいランチに出会う幸せ、美しいものに出会う喜び。僕たちの仕事は普段の暮らしの中の新しいを描くこと。暮らし目線でモノを見つめていくことからデザインもコピーも生まれてくる。見つめていくことで新しい発見がある。見つけるということは感じることなのだ。 今日はあるレストランのランチを食べに皆で出かけた。テーブルに並んだ料理はいい旬の素材を使い、ちゃんと作られていました。よりおいしく感じるために、僕たちにできることがあると感じた。 |
季節を忘れてしまいそうな温かな日、美味しいものを食べて、自然に触れて、好きな仕事ができる。そんなことを思っていた矢先に、取引先の印刷会社が倒産したというニュースが飛び込んできた。過剰投資と原材料の高騰が原因だという。DNA担当の営業マンK君と今後の仕事について話し合った。僕が責任を持って対応しますので今後も発注して欲しい。その顔はまっすぐ僕を見ていた。 会社同士の付き合いはないが、彼のまっすぐさが気に入り仕事をまかせていた。倒産を知ったのは昨日のこと、自分の行き先もどうなるか分からないのに、ちゃんと自分の言葉で話すK君。今の心中を思えば何も言えなかった。いつもどおりにやろうとだけ言った。 経済の縮小が進む地方において、その経営者はきっとどこかでボタンを掛け違ったまま気が付かずに走ってしまった気がする。僕とてデザインとカフェの経営を考えると人ごととは思えない。デザインをまたカフェを経営として捉えていかなければ、いつか同じ立場になるのではないかと思うのである。こんな晴れた日でも、花がどんなに綺麗に咲こうが、悲しみは突然にやってくるものだ。 外は晴れ、僕の心は曇り。長い1日だった。 |