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2007年12月07日

憂い

昨夜、H君と久しぶりに会い、お茶を飲みながらお互いの近況を話した。
僕と彼は広告、デザイン業界という特定な業界にいる。一般的には広告代理店だったり、印刷会社からの依頼のもと仕事を請けている。営業さんから直接発注される場合と、社内クリエイティブからの発注がある。どちらにせよイニシアティブは発注側にある。制作者が好きな様にデザインしたり、コピーを書いたりすることは皆無、僕の体験からもほとんどがそうだった。
僕は決まりきった中でのデザインが嫌で、というかそのようなデザインに興味が持てないので、自然のながれで直接クライアントの仕事に移行してきた。H君は前者、同じ業界で仕事のステージが違うところで仕事をしています。仕事へのモチベーション、人間関係、ギャランティー、労働時間、経営のことなど悩み、葛藤は同じです。その向かう相手が違うのです。
僕はほとんどが経営者と直接打ち合わせをして事業の問題を聞かせてもらいながらデザインを進めることができ、僕の考えを直接伝えることができる。デザインの目的がはっきりしているのです。
H君の話はやがて業界の憂いに変わった。憂いをかかえたまま、日々の目の前の仕事に終われているという。そんな彼に若いんだから挑戦してみたらと僕は無責任に彼に言ってしまった。そのことが昨夜からずっと気になっている。挑戦すると言うことは失敗というリスクを背負うことが出来る人がするものだと思うのです。
わがままな人はそうするしか自分の道が無いことを知っているのだろうと思うのです。
自分を信じていくことしか道は開けないと思うのです。決して誰のせいでもなく、環境のせいでもないと思います。

H君と別れて、事務所に戻るとまだみんな働いている。時計は10時30分、DNAはまだまだ仕事です。
そのひとつタクシー会社のホームページを作っています。時代が変わり、タクシー会社も大きく姿を変えようとしています。ただ人を運ぶ時代から、安心だったり、喜び、楽しみ、思い出までも運ぶ時代になってきました。
そのために旅の達人、介護の達人、子供の達人ドライバーが必要になってきている。
あらゆる業界は既存のシステムでは成り行かなくなってきて、新しい仕組みづくりが求められています。
広告業界とて広告の向こうにある安心だったり、喜び、楽しみ、思い出を描く時代ではないだろうか?
そのためにはモノ、情報を伝える達人にならなければならないと思う。

今日の北浜
今日の北浜は冬景色、風が強く、寒い一日だった。