街のカフェ
僕と同じように、カフェの魅力にとりつかれた人がいます。仏生山 Cafe
Asileの倉橋ご夫婦です。 僕がumieをはじめてから2年後、彼は仏生山の自宅をリノベーションし、Cafe AsileをOPEN。 今日に至るまでの、幾度かの困難を僕は知っていますが、ちょっと遠回りしたけど、その間よき理解者を得て、どこか彼の表情も穏やかになり、今ではすっかりカフェのオーナーの顔になっています。 そんな自然な振るまいに、お客様の心はほどけていくのだと思います。カフェのカフェたるあり方を、ちゃんと見据え、カフェで食べていくぞ、という覚悟が出来たのだと思います。 そんな彼の想いは、メニューに、スタッフに、お店のあちこちに感じられ、いい空気が流れています。一等地に出店する、カフェのカタチをしたビジネスとは一線を画し、その街が好きで、その街の暮らしが好きで、その街の人が好きで、その街の文化や歴史を敬い、受け継いで、守り、活かし、Cafeを通じて新しい文化を育てていく。長く、時間はかかろうとも、そんな事が、実は本当の街の活性化につながっていくのではなかろうか。 戦略、戦術論ばかりがもてはやされているけれど、その土地の街の魅力を知っている、彼らのような生き方にこそ、ヒントがあるように思います。 久しぶりに会う、ふたりの笑顔は明るく、爽やか。 帰り道、ふとumieのある北浜のことを想う。瀬戸内海を目の前に、5年前リノベーションのはしりとして、古い倉庫街が蘇った。そこには、まばゆいばかりの生き生きとした姿がありました。 新しいデザイン事務所のあり方を模索していた僕が、たどり着いた場所、北浜。ここには自由と、毎日、海が見えて、島が見えて、大きな空が見えて・・・と自然がたっぷりあります。 忘れ去られていた倉庫に人の手が入り、人が集い出す。やがて、地域の人たちの交流が生まれてくる。 そこには、街の文化、歴史、街の風景、人の記憶を大切に活かし、新しいことにチャレンジしている人たちがいます。 |
今日も北浜は晴れ。心も温かい一日。 |