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2006年12月28日
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僕は27才でなんの根拠もなく、会社を辞め、自分の名刺をつくった。
のんびりとした社風は嫌いではなかったが、ただ会社を辞めたかった。憧れだけを頼りに、プロの世界にふみ込んでしまったのです。
徹夜などというものを一度もしたことがなかったので、徹夜は辛かった。アイデアが出ず、誰もいなくなった事務所で泣いたこともあった。大手代理店のディレクターにデザインを破られたこともあった。理不尽な指示にはむかえず、悔しい思いもたくさんした。ちゃんとしたデザインの勉強もせず、プロの世界に入ってしまった自分を悔やんだりもした。
ある日、地元の大手レストランチェーンの広告担当の方に、たまたま出会い、うちの仕事をしないかと声をかけられた。メニューの仕事だった。
ラフデザインをつくり、撮影の段取りをした。緊張と不安でいっぱい。撮影は夜の12時から、はじめて撮影のディレクションでした。
ある時から、ほとんどの仕事をまかせてくれるようになり、新しい店舗がOPENする度、仕事が増え、僕の仕事の幅も広がり、自信というものが芽生えてきた。
振り返れば、毎回がチャンスをものにするか、しないかの勝負でした。そんなことの繰り返しで、そこの仕事は10年以上担当させて頂いた。
僕が今まだデザインを続けられる理由は、そんないい人達との出会いがあったからです。みんな厳しさと、まかせてくれているという、やさしさにあふれていた。人に育てられ、仕事の度に成長させてもらったと思っている。
今、僕の事務所には、当時の僕のような2人のスタッフがいます。この一年、一緒になって、ふたりと仕事に向き合ってきました。僕は、理不尽な、無茶なことを言い、徹夜も数え切れない程しました。時にはケンカもしながら、いいデザイン、いい広告をやってきました。
時代は逆風が吹いていますが、まともに、正直な仕事をしようと話し合っています。僕が誰かに育てられ、仕事に成長させてもらったように、今度は僕が育てる番です。
今日の北浜は強風、波も大荒れ。寒さがカラダに染みる1日。 |